お盆にまつわるイベント

小さなお話

【盆踊り】

今や海外からも高い人気を誇り、日本の夏の風物詩の一つとなっている盆踊り
夏祭りで夜風と共に東京音頭が聞こえてくると、
夏だなぁと気分が上がる方は多くいる事でしょう
盆踊りという名前からも分かる通り、
本来はお盆に帰って来られたご先祖様を丁重にもてなしご供養し、
再び送り出すためのものといわれています。

平安時代に空也上人という高僧によって始められ、
鎌倉時代に一遍上人によって広められた、念仏を唱えながら鉦(かね)や
太鼓などを叩きながら踊る『踊り念仏』がルーツといわれています。

徐々に民衆に根付き、ご先祖様のご供養だけでなく、心の癒し、
人との繋がりを感じる場として欠かせないものとなっていったのでしょう。

【花火】

近年新型コロナウイルスの大流行によりお祭り等のイベントが自粛されていた中、
花火は元来、疫病退散の想いが込められているという事を
聞いた方は多いのではないでしょうか、
江戸時代(享保17年)、当時大流行していた疫病と大飢饉により
多くの方々が亡くなられました。
時の八代将軍徳川吉宗は、
疫病退散と死者を供養する慰霊の心を込め隅田川で花火を打ち上げました。
またお盆での仏様方を導く迎え火、
送り火の意味合いが含まれているとも言われます。

世界各地で花火は打ち上げられますが、
慰霊、平和、祝福などそれぞれの深い想いが込められているようです。

【五山送り火】

京都で毎年行われている大規模な送り火です。
お盆で戻ってこられた仏様方を丁重に賑やかに送り出すための導きの炎です。
8月16日、暗くなりますと京都市内は明かりを落としはじめ、
送り火は夏の夜空を焦がします。
遠方から見に行かれる方も多く居るでしょうし、
地元の方は毎年夏の終わりを感じ少し寂しい気持ちになるのではないでしょうか。

日本に限らず伝統文化とは、必ず人々の願いや想いが込められているものです。
綺麗だな、楽しいな、そのように楽しむのも素晴らしいですが、
意味合いを理解し、多面的に伺うことによって、
娯楽としてだけではなく学びと安らぎを与えてくれる
本質的な意味を成す大切な行事となっていきます。

合掌