新型コロナウイルスの社会的な位置付けも変わり、従来の生活に近かった春が過ぎました。
新たな環境、立場で奮闘し続け、多くの事由により悩み苦しむことを5月病と言います。
仏教に“行雲流水”という言葉がございます。
空を漂う雲の様に、川を流れる水の様に何事にも執着しない心で生きるという意味を持ちます。
環境への馴染み、立場の保守、名誉や富への執着の為、
皆自分を奮い立たせ、目まぐるしい日々を過ごしております。
現代社会の中では、ある程度必要な志であり、生きがいとなっている方も
多くいらっしゃる事でしょう。
同時に、時折感じる虚無感、空虚感から顔を背け続け、
気付くと疲れ果てている方も多く居る事と存じます。
人間関係での悩みも同様に、
相手に何かを求めたり期待する事は、自分の相手に対する欲望です。
逆に期待されて応えなければと重圧に感じる事もまた、
周囲に出来る人だと思われたいという欲になります。
煩悩や欲望が一定は必要とされる社会の中で、
“必要以上に求めない”事が重要になってまいります。
時には、空を浮かぶ雲の様に、川を流れる水に様に、
様々な柵を忘れ、時の流れに身を任せてみるのも大切です。
世俗の志と距離を取った時の居心地の良さや、心持ちの安楽を感じて頂ければと存じます。
合掌